馬術映画「世界に一つの金メダル」を元馬術部が見てみた感想

馬術界でちょっと話題になった映画「世界にひとつの金メダル」という映画が
レンタル開始しましたので見てみました。
私は3歳から22歳までずっと馬術をしてきました。
この映画がこれから馬術を習ってみようと思う人にとってどう良いか?
という観点からレビューを書こうと思います。

ネタバレはしないようにしますので、どなたが読んでも大丈夫です。

概要

タイトル:世界にひとつの金メダル
監督:クリスチャン・デュゲイ
主演:ギョームカネ
内容:フランスの実話です。名馬ジャップルーと名選手ピエールデュランが
オリンピックを目指す感動のストーリー

監督は馬術の元カナダ代表、主演はバリバリの乗馬選手
そのコンビが魅せる映画は今までの馬映画とは比べものにならない
クオリティです。

いかに馬術を映し出しているか?

多くの人が馬術で連想できる「馬と人との絆」についてとてもリアルに描かれております。
しかし動物との絆系映画は今までも山のようにあり、それぞれリアリティはしっかりして
います。

この映画の凄い所は使っている馬具(道具)から騎乗スタイル、馬の飼育方法や練習場の
空気感まで完全に再現されているのです。
今から30年前の設定の映画ですが、私が子供の頃父親に連れて行ってもらった
乗馬クラブの空気感は完全にこの映画の空気感でした。

決して綺麗ではない馬運車で馬と一緒に寝泊まりしながら過ごす競技会
雨上がりの泥濘の中練習障害に向かう馬の足音
グルームの人々が感じている事
競技会での失敗から障害間の距離の測り方
皆一度は感じる「他の仕事」への憧れ

さすが馬術経験がずば抜けている監督と主演のタッグだなと感じました。
見ていると懐かしい気持ちとあの頃はこうだったな〜という気付きがある映画です。

これから馬術を始める人が見るとどうか?

これから馬術を始めようと思っている方や全く馬術を知らない人が見ると
専門用語を何の説明もなく使ってくるので理解できない所もあると思います。
しかしそれほど重要な事ではありません。

この映画を通して馬術は人間だけのトレーニングだけではなく、
馬のトレーニング、そして周囲の人々のサポートがひとつの形となって成績が
出るという事がわかると思います。

それこそが馬術の醍醐味であり、なかなか上手くいかないからこそ
のめり込める理由になると思います。
実際私は担当馬が変わるたびに一歩下がり、またちょっとずつ成長して
また一歩下がるを繰り返して上達していきました。
それぞれの馬にはそれぞれの個性があるのです。

ぜひ深く考えずに一度見てください。この話がわかると思います。

ずっと馬術をやってきた人が見たらどうか?

もしあなたが長年馬術をし、色々な事が分かってから
再度この映画を見てみてください。

いかにこの映画が細かな設定や小道具を作り込んでいるかが分かります。
ゴムのワンコの音なんか「よくこの音を使ったな〜」と感心します!
そして実話なのでオリンピック会場のYouTubeが実際観れるのですが
会場の国旗の並びが映画と一緒なのです。
そこまでこだわるか!とビックリしました。

そして主演がスタントなしで全てを演じているのですが
その技術力にもビックリすると思います。
ちょっと乗馬の練習をしたレベルではありません。
かなりの技術力です。

まとめ

今までのスポーツ映画は実際の経験者が見ると
「分かってないわ〜」
「実際は違うけどね!」
などと意見が出る事が多かったです。

しかしこの映画は馬術を完全に表現しており
これから馬術を習おうと思っている人にとって
最高の映画かもしれません。

また少しでも多くの人が馬術という競技に関心を
持てる映画だと思います。

子供がほぼ無料で乗馬を始める方法という記事はこちら