飲食店への転職ってどうなの?

飲食店を経営しておりますと
先日知り合いから「飲食業への転職ってどうなの?」
という質問されることがあります。
今回は答えた回答をこの記事にさせていただきます

人それぞれ考えが違うと思いますので、あくまで一つの意見と思って読んでみてください

飲食店といっても色々

飲食店といっても2つの働き方の違いがあります

独立して経営する

雇われていた店から独立したり、脱サラで自分の店を持ったり、居ぬきをつかって興味のある飲食を始めるのがこのような人たちのグループです。
特徴としてはすべてを自分ですることになりますので、総合力が求められます。ただ美味しい料理を作れるから、お客さんをつかむトークが上手だからといってそれだけで上手くいくとは限りません。
マーケティングの力、会計スキル、今後の方向性を考える経営力、重要な調理スキルと衛生管理力など色々なことが降りかかってきます。
大変な反面メリットも多く、目指せば大企業になることもできますし、育てた店の経営権を販売することもできます。またすべては自分の責任の下で行いますので、思い通りの店づくりが出来る醍醐味があるでしょう。

雇われて働く

この雇われる人たちのグループは、好きな店でスキルを学べるといったメリットがあります。
よく有名シェフの肩書に○○ホテル総料理長、銀座○○レストラン料理長歴任とか肩書があるのを見たことがありませんか?
これは雇われているからこそ出来ることで、色々な厨房を経験することでスキルを上げることができます。
そこまで立派なことをしなくても、焼き鳥屋で串うちを勉強したい、お酒とトークが売りのお店で接客力を身に着けたい。大手飲食チェーンで物流や会計、店舗展開を勉強したいなど希望がなんでも叶うのが良いところです。

※その他に両方の良いところどりのフランチャイズ、安定性が高い大手飲食チェーンの社員、独立がしやすいケータリングカーなどがあります。

始めやすい仕事だからこそ厳しい

飲食は「仕入れて、調理し、提供する」といった商売の基本を毎日繰り返す極めて単純な仕事です。難しく考えなくてもスタートは出来るので敷居が低く参入しやすい業界とも言われております。
そして雇われて働くのも「慢性的な人不足」に悩んでいるこの業界では比較的簡単に転職できるでしょう。
ではそのような簡単に始められる飲食業で生計を立てていくのは簡単なことでしょうか?
危険性を話しましょう

独立して経営する場合

たまに話していると「知り合いが飲みにくればペイできる」「食べ歩きが趣味で、美味いものを食べつくしたのでそれを再現すれば大丈夫」「本業の経営でお金が余っているので、そのお金を転用して自分の飲み場を作りたい」と安易に飲食店経営を考えるひとがいますが、結構難しいのが実情です。

まず「知り合い」は最初だけです。ご祝儀的に最初は来てくれますが、いずれ足が遠のきます。そしてせっかく来てくれたからとついついサービスをしてしまうのが知り合いです。本来の価格設定ではない知り合いの来ることを首を長くして待っても商売という意味ではまったく意味がありません。
次に「有名店の味を再現できれば」と再現した場合、お客さんは有名店に行ってしまいます。あそこの味にそっくりということは有名店の贋作なんです。インターネットで口コミなどが発達した現在、「○○有名店にそっくりな味付けです」と書き込まれたら○○有名店に行かれてしまうのが関の山です。
「自分が飲めば大丈夫」と思っているあなたは一番危険だと思われます。あなたが知り合いを店に連れてくることを繰り返せば知り合い達はだんだん距離をとってくるでしょう。そしてオーナーが我が物顔でワイワイ飲んでいる店に他のお客さんは行きにくいものです。
「なんかあの店入りにくいよね」と倦厭されてしまいます。

雇われる場合

飲食業にとって厳しい現在、いつまでその店が続くかわかりません。飲食店の7割が3年でなくなるという統計が出ているほど厳しい業界です。ある日突然務めていた店がなくなるのは十分にありえます。
つぶれないような名店はすでに人材が揃っていることが多く、そこに入り込むにはタイミングや運、実力が必要になるでしょう。
この記事をせっかく読んでくれているので、注意してほしいことを書くとすれば「いつ駄目になっても良いようにいざという時の転職先をやんわりと探しておく」という事をお勧めします。
次はあの店に転職しよう、あの飲食店は人材を募集していると今のうちに考えておけば、現在の飲食店で何を学べば役立つか自ずと分かってくると思います。

仕事をしている上での喜びって何ですか?

では飲食ってやる意味があるのか?やりがいは?ということについて書きます。
どんな仕事でもやりがいを見出すことによって仕事環境を素晴らしいものに持っていくことが可能です。
では飲食業をしているうえでの喜び(醍醐味)はなんでしょうか?

収入

特大ホームランといえるほどの集客や売り上げを毎日のように出せる店づくりをした場合あなたはフェラーリ、プール付きの別荘、最高級バック何でも手に入るほどの収入を得るでしょう。しかしそれはかなり狭き門で、収入ばかりを気にしていた場合、夢と現実のギャップでバテテしまうと思います。

労働環境

多くの飲食店は「人が休みの時に忙しい」という状況で動いております。つまりカレンダー通りの休みは厳しいということになります
しかしその反面平日の観光地などが空いている時に休みを取りやすいのが特徴です。

接客として

私が飲食業の醍醐味と思っているのはここです。あなたが考えて試行錯誤した店作り料理をダイレクトに反応が見えます。これは他の職業にはない良さで、お客さんに毎度喜んでもらえると病みつきになります。
そしてこれが収入に直結するわけですからそういったものが好きな方にとっては最高ではないでしょうか?

まとめ

飲食業、やったことがない方からすると

「お客さんと楽しくお話が出来て仕事になる」

「自分が本当に美味いと思ったものを出せて羨ましい」

「仕入れてきたものをすぐ現金化できる日銭商売」といったイメージがあるのではないでしょうか?

たしかにその通りの部分も多いですが、決して楽ではないのがこの仕事です。

私が感じていることをダラダラと書いてみましたが、安易に転職を考えている人がいればしっかりと考えてほしいという思いを込めております。

もしそれでも飲食で頑張りたい!という方がいればぜひお仲間になりましょう。
苦難の連続になることが多い飲食業、仲間が多い方が楽しんで働けます(笑)

私はいつも東京都江戸川区のしれとこという店におりますので声をかけてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。